告白/湊かなえ
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評価:
湊 かなえ
双葉社
¥ 1,470
(2008-08-05)
Amazonランキング:
9位
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読書期間:2009/1/14〜2009/1/15
[双葉社HPより]
我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。
気付いたら話題になっていて、図書館見るともうすでに何百人待ち。そして、内容も黒いとか救いがないとかいう内容をちらほらと見ていて、読もうかどうか迷っていました。しかし、本を譲って頂けるというなんといも嬉しいことが起こりまして、読むことができました。
第1章は中学校の女性教師が終業式のHRで話をする場面。一人の語り口調で進められていて、特に会話もなく最初は読みにくかったのですが、話していく内容が次々に変わり、その女性教師の娘が事故で亡くなった話になるともう止まりませんでした。最初は関係のなかったと思われる内容が、1本の線に繋がっていく。自分の子供が事故ではなく殺された。この中に犯人がいるという内容を淡々と語っていく。そして、最後の衝撃。私はこの第1章の内容だけでも、非常に完成度が高かったと思います。
2章、3章で語り手となるのは、同じ女性教師のクラスメイトで学級委員長をしている女生徒、犯人の少年の母親、少年A、少年B。読んでいくうちに、本人たち、そしてその家族関係に何とも救いがないなと思ってしまいました。歪んだ愛情が、こういう事態を生み出してしまうのだなと思いました。
少年法で13歳は殺人を起こしても罪に問われない。だから自分で裁く。確かに、被害者の立場に立つと、13歳でも自分の大切な人を奪ったのだから罪を償ってほしい。罪にも問われない、反省もしていない、謝罪もしない少年を憎む気持ちも何となく分かります。ただ、実際に被害者の立場になったことはないので、全部が全部分かるとは言い切れませんが。でもだからと言って、自分の手で裁いてしまうのは、また終わりがなくなってしまう。復讐することで、また復讐が生み出されることは意味がないのではないかと思う。なので、女性教師、少年A、少年B、その母親、全員許せません。自分勝手過ぎる。
でも、この本を読んで良かったと思います。敬遠しがちな内容ではありましたが、やはりたくさんの人が読んでいて、評価されている作品は非常に良いものですね。
コメント
先日テレビでインタビューを見ました。
毒のないぽわんとした女性だったのに驚きです。
女性ってわからん^^;
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しんちゃん | 2009/01/28 8:03 PM |
見た目に騙されてはいけません(笑)
うちの母親もテレビで見たと言ってました。
私もどんな人なのか見てみたかったです。
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Yuki | 2009/01/28 11:58 PM |
わぁ〜テレビに出てたんだ〜
私も見たかったなぁ〜(笑)
無事読めて良かったですね♪私のブログにも検索サイトで上位にくるからなのか毎日すごい人数の方がこの本のことでやってきますよ〜すごい人気でびっくりしちゃってます。(・ω・;A)アセアセ…
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板栗香 | 2009/02/03 3:42 PM |
>板栗香さん
ご本人どんな方なのか気になりますよね。
まだまだ根強い人気ですよね。
私は新刊を読むのを心待ちにしています。
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Yuki | 2009/02/09 1:16 AM |
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