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評価:
角田 光代
文藝春秋
¥ 540
(2007-10)
Amazonランキング:
2050位
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読書期間:2007/11/27〜2007/11/30
専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが・・・・・・。結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、それだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。多様化した現代を生きる女性の、友情と亀裂を描く傑作長編。第132回直木賞受賞作。
久し振りに角田さんの作品を読みました。
たくさんの作品を出していて、どれから読んでいいか分からない状態でしたが
この作品が文庫化になるということで、久し振りに読んでみました。
以前読んだ作品が少し前の作品だったからか、余りよかったという印象が
ありませんでしたが、友達も薦めていた作家さんだったし、他の作品も
ぜひとも読んでみようと思っていました。
こういう状況の中、読んだ作品がこの作品でよかったと思います。
また角田さんの作品を読みたいと思いましたから。
会社の人間関係が嫌だったが、タイミングよくプロポーズされたことで
会社を辞めて、専業主婦となった小夜子。幼い子供が1人いる。
公園に行っても他の子供たちと遊ばない自分の子供を不憫に思って
自分から変わっていこうと、働くことを決意する。
そこで出会ったのが、自分と同じ年で、同じ大学出身の女社長、葵だった。
小夜子は葵の会社で働くことになる。
一方、葵の高校時代の話。
中学時代にいじめに遭って、母親の田舎に引っ越した葵。
そこでもいじめられないように気を使って日々を過ごしていた。
同じクラスにいたナナコは誰から何を言われようと何も感じない。
どこのグループにも属さず、誰とでも話をしていた。
そんなナナコと葵は学校以外で仲が良くなり、夏休みに伊豆のペンションで
2人で泊まりこみで働くことにした。
現代の小夜子の視点と過去の葵視点が交互に展開していく。
不思議に思ったのは現代の葵の性格と過去の葵の性格が一致しないこと。
過去のナナコと現代の葵の性格が同じようで、この2人が同一人物なのではと
思ったほどでした。
でも読むにつれて、葵が変わった訳が何となく分かったような気がした。
全く違う立場の二人、対岸の彼女がこちら側に来るとき
また他の対岸にいる人たちに向けて手招きしているような感じがしました。
こういう出会い、関係もなかなかいいなぁと思いました。
ほっとするような、自分も前向きに生きていこうと思えるような作品でした。
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